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1杯のスープから始まる朝を届ける「柘榴石 GARNET」

2022年。嘉手納に突如現れたオシャレな建物。

柘榴石GARNETは飲む美容液と言われるボーンブロスと素材に拘ったベーカリーとスイーツのお店。

ボーンブロスとはボーン(骨)からとったブロス(出汁)のこと。

柘榴石GARNETでは「発酵」という一手間を加え、うまみを凝縮し、より美味しく、必要な成分が吸収されやすいスープとして提供している。

カラダに優しい素材で作られたバリエーション豊富なパンととも楽しむボーンブロス。

料理人であるオーナーの奥谷さんが作るスープはバリエーションも豊富。

「一番人気はクラムチャウダーですが、ミネストローネもよく出るし、ボーンブロスのリピーターさんも増えてきて…。パンは食パン、塩パン、フランスパンの順かな」と教えてくれた。

パンは義理の妹さんが手掛けているそうで、雑穀や全粒粉など体に優しい素材にこだわって作っている。

奥谷さんは小学生の頃から料理人になることを志し、長年、料理人として従事していた。

奥様が体調を崩したことをきっかけに、食を一から見直そうとたどり着いたのがボーンブロスだった。

実際にボーンブロスを飲むようになって、体の調子が良くなっていくのをすぐそばで見ていた奥谷さんは、これを必要としている人に届けるために店舗を構え、発信していくことになる。

店名は「柘榴石」と書いて「ガーネット」と読む。

美容や健康へ対する意識の高い女性をターゲットとしてスタートした柘榴石GARNET。

ザクロから連想するものが女性だったり美容だったりとイメージにピッタリだった。

海外、特にアジア圏を意識して敢えて、漢字表記にした。

嘉手納から世界を見据えるスープスタンド。

お店のコンセプトをデザイナーさんに細かく伝えて作成してもらったというロゴは、線が細く、きめ細やかで上品な、ヨーロッパともアジアともとれる、イメージ通りの”視覚”となってお店のブランディングに寄り添う。

出汁が主役。一杯のスープで始まる朝を日常に。

小学生の頃からの夢を叶えた根っからの料理人である奥谷さんは、ずっと「スープ」を作ってきていた。

ボーンブロスはそのまま飲むという、ベースではなく主役となる出汁。はじめは豊富な経験からスープでしょ?という感覚だった。奥様への想いが一番だったのはもちろんだけど、美味しいものを食べてほしいというのは料理人の性。

主役の出汁、素材のうまみ、美味しいという味覚を身体が感じ、整えられていく過程を体感し、これまでに培ってきた技術と知識を総動員してボーンブロスを作っていく。

朝の一杯で変わる人生がある。

岐阜出身の奥谷さんは奥様の出身地である嘉手納町に恩返しがしたいとこの場所でのオープンを決めた。嘉手納マリーナの夕日を見に行ったり、比謝川の遊歩道を散歩して楽しむこともあるそうで、この土地にある自然から受けるパワーのようなものが奥谷さんを通してスープとして表現されているような気がした。

ボーンブロスから始まる朝を日常にしたい。

コーヒーショップのように手軽に、朝のルーティンとして立ち寄ってカップに入ったボーンブロスを受け取る。そして1日が始まる。

海外では当たり前にあるスープスタンド。日本ではまだ、あまり馴染がないが、「情報が流通している時代。これだけの効能や実績をもつボーンブロス。この可能性はどんどん広がりますよ」と未来を見据えた表情。

嘉手納から伝える朝のルーティン。身体に必要な成分を運ぶスープとともに情報を届ける発信基地としての側面も担う。

身近な身内から必要な方へ

体調を崩し、食が細くなってしまった友人のために、色々調べて、柘榴石GAENETにたどり着いたお客様もいるそうで、「友人にあげたいからと買いに来てくれて。そのプレゼントされた方が”ボーンブロスのおかげで元気になれた”とお店に来てお礼を言われたことがあって。本当に嬉しかったです」と奥谷さん。

ボーンブロスには様々な可能性がある。

今では、腸内環境を整えるファスティングの置き換え食や離乳食としての需要も高いそうで、「ギフトとしても選ばれるようになり、ネットでの販売もスタート」している。

スープカップやパッケージに印字されている「B( )NE BROTH STAND OKINAWA」という文字。

「( )には人それぞれの需要があって、美容だったり、健康だったり。腸活のために利用してくれる人もいれば、ペットのために使ってくれる人もいる。それぞれの人がそれぞれの理由で埋めてくれるようにとそういう表記にした」。

身近な人から必要な人へ。柘榴石GARNETの描く未来はすでに始まっている。

嘉手納から沖縄へ、日本へ、世界へ。

志のあるスープスタンドがここ、嘉手納町にある。

柘榴石GARNETの火曜日を楽しむ。予約必須の美しいお弁当。

ちなみに、火曜日限定でお弁当の販売も行っている。

「料理人なんでね、やっぱり自分の作品としてお客様に提供したいって想いがどうしてもあって」と笑う。その話を聞いたときに初めて、奥谷さんの人柄を感じられたような気がした。

もちろん、スープスタンドとして、いいモノを必要な人に届けたいという熱い思いを強く感じたし、今回、このような話を伺いたいと先に送付していた手紙に話すことをぎっしりとメモしてくれていた感じにも人柄は出ていたけれど、お店としてではなく人としての温度が確かに伝わってきた気がした。

マネージャーとしてお店を支える伊禮さんは奥様の同級生で、これまで色々事業に携わってきたけど、最後は地元の嘉手納に恩返しできるスタイルで…と思っていたタイミングで声がかかり、従事しているそうだ。

嘉手納への想いが詰まった方々が展開する世界を見据えたボーンブロス。

一杯のスープから始まる朝はここ、嘉手納町からはじまる。

柘榴石GARNET」詳しい詳細は↓こちらから

ライター : 古市萌