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道の駅かでな 学習展示室 – 平和学習と地域学習の場として

道の駅かでなは、沖縄県嘉手納町に位置し、極東アジア最大規模を誇る米空軍基地「嘉手納飛行場」を一望できる場所として、多くの観光客に親しまれています。2023年4月10日には、道の駅かでなの3階にある「学習展示室」がリニューアルオープンし、平和学習や地域学習の場として大きな役割を果たす施設となりました。

学習展示室の概要

学習展示室の面積は約162平方メートルに及び、展示は「ぼくの町には基地がある」をキーワードに、嘉手納町と米軍基地の関係を多角的に伝える構成となっています。この展示室は、修学旅行生や観光客向けの平和学習の場であると同時に、地元の人々や子どもたちが地域の歴史や現状を学ぶ場としても機能しています。

主な展示内容

  • 歴史的背景の展示
    学習展示室では、嘉手納町の戦前、戦中、そして戦後に至るまでの歩みを、沖縄戦や米軍統治時代、そして復帰後の基地をめぐる状況とともに紹介しています。これにより、嘉手納町が基地の影響を受けながらもたどってきた歴史を深く理解することができます。
  • 基地の現状を伝える展示
    嘉手納町の町域の約82%を米軍基地が占めている現状を、具体的な数字や視覚資料で説明しています。特に、嘉手納基地の大きさを他地域と比較できるタッチパネルは、訪問者が実際に自分の町と比較し、基地の規模を実感できるインタラクティブな展示となっています。
  • 体験型展示
    さらに、体験型展示では、円柱スペースにおいて実際の航空機騒音や排ガスの臭いを再現し、基地周辺での生活環境を体感することができます。これにより、基地と隣り合わせで生活する地元住民の視点を理解し、騒音や環境の影響を実感できるよう工夫されています。
  • 視覚的資料とマンガ展示
    「ぼくの町には基地がある」と題したマンガ解説では、嘉手納町で暮らす「ぼく」や「ぼくの家族」の視点から基地の存在が紐解かれています。また、嘉手納町に住む人々へのインタビュー映像も展示されており、リアルな声を通じて基地と共存する町の現実を伝えています。

展示室の特徴と意義

この展示室の最大の特徴は、基地の存在理由やその継続について考えさせる点にあります。来訪者は、基地と共に生きる人々の生活を学びながら、「なぜ、基地はここにあるのか? なぜ、基地はなくならないのか?」という問いに向き合い、平和について深く考える機会が与えられます。また、地元住民の視点を重視し、地域の現状を冷静に理解するための展示が充実しています。

受賞歴

2023年10月13日には、学習展示室が「第42回ディスプレイ産業賞2023」において、ディスプレイ産業大賞(経済産業大臣賞)を受賞しました。この受賞は、展示内容が地域学習や平和学習において、優れた文化・公共施設として認められたことを示しています。

学びと発見を提供する場

道の駅かでな 学習展示室は、嘉手納町の歴史や文化、そして現在進行形の基地について、視覚的・体験的に学べる貴重な場所です。展示を通じて、来訪者は嘉手納町の過去と現在、そして未来について深く考えるきっかけを得られます。

沖縄の平和と未来について考えるために、ぜひ道の駅かでなの学習展示室に足をお運びください。

平和学習ガイド in 道の駅かでな

新しくなった展望所

道の駅かでなの展望所は、2022年4月に新棟としてオープンしました。以前の旧棟と比べ、展望所は基地側に向かってせり出したデザインとなり、さらに臨場感あふれる基地の風景を楽しめるようになっています。この設計により、展望所からの眺めはよりダイナミックで、航空機の離発着シーンや滑走路の動きをよりリアルに感じることができます。

道の駅かでなについて

国内唯一、米軍基地に隣接している観光施設「道の駅かでな」の詳しい情報は下記からご覧ください