特集
新町通りの太陽「LUKE TACOS」
新町通りの一角に、町に元気を与える、いつも賑やかで、見た目も雰囲気も明るいお店がある。
LUKE TACOSは、平成最後の年に始まった。
いつオープンしたのか伺うと「6、7年前。何年かな?平成最後でした。2000…何年?」とオーナーの村吉さん。
まさに少年ルークという感じ。
平成最後の年に始まったタコス店。
店名”LUKE”の由来。
LUKE TACOSの名前の由来を聞く。
「琉球をいっぱい言ったらルークになるから」と紹介されてる記事を見たことがあったので、確認すると、「それもあるし…」こういう理由もあるし、あれもかなーと、色々話してくれた。
「あ!まってください。アメリカの少年の名前にLUKEってのが多いって。活発な子のイメージみたいなんですよ。それにしといてください」と言われる。
爆笑してしまった。
終始そんな空気感で話を聞けたのは村吉さんのさっぱりとしてて、沖縄風にいうとちょっとてーふぁーな人懐っこい性格のおかげ。
ここではアメリカの活発な少年ルークから命名されたということにしておこう。
なにか企んでいるようにも見えて、眠そうにもにも見えるロゴのタコスの表情も「少年ルークっぽいでしょ」とイタズラに笑う。
真相はLUKE TACOSで。
恩納村出身の村吉さんは、結婚を機に嘉手納町に引っ越してきた。「北谷と読谷で探してたのがなかなか見つからず、嘉手納かぁ…って最初は思いました。でも、嘉手納で良かった。この良さは多分住まないとわからない。」と熱意強め。
お店を始めるなら嘉手納で…という気持ちになるのは必然となるほどに。
ともに嘉手納町で歩む夢。
それぞれが、別の飲食店で務めている頃、「地域のお店の店長会みたいなのを始めてくれた人がいて。」そこで、珈琲喫茶カメシマのオーナー、亀島さんに出会う。
「歳も一緒で、家もめちゃくちゃ近くて。独立を目標にしてたのも同じだったから仲良くなって。仕事終わったら野望を語りながら、飲んだ帰りに、ふらふら歩き回って。空き物件ないかなーっていつも探してました。」
亀島さんに話を伺ったときもそうでしたが、お互いに自然と名前が出てくる関係性がとても素敵だなと感じる。
「店を始めるまでは、あんなしたい、こんなしたいって話して、今は経営の話とかして。結構大変だなって。」と笑って話してくれた。
切磋琢磨という言葉を体現している2人の経営者。
時同じくして、同じことを考え、同じようにスタートし、同じように成長していき、今では嘉手納町になくてはならない2店舗になっている。
個人事業主って、孤独になりがちで、相談出来ない悩みを抱えがちなイメージだけど、その心配はここにはなく、更に一緒に店も町も盛り上げようと色んな計画をしている活発なルークたちがいた。
リフレッシュもインスパイアも「水分」??
ルーティンを伺うと「毎日海に入る。」「冬は温泉。」
水が好きなんですねと言うと「確かに、そう言われるとそうですね。」と笑っていた。
何も考えず、ただぼーっと水に浮かび、湯に浸かる。
何にも邪魔されないリセットされる時間。
タコスについて伺った。
ガーリックシュリンプやステーキチーズ、フィッシュ…
他では見た事のないようなタコスのメニューが並ぶ。
どんな風にメニューを考えるのか聞いてみた。
「自分の場合、汁物から考えるかもですね。」
???どういうこと?!
「沖縄そばとか食べて、この組み合わせだよねとか、この出汁の感じ!!…とか。」
私はハテナばかりで、これ以上深く伝えられないけれど、この感覚を「わかる!」となる方もいると思うので、そう表現されていたことを記しておく。
沖縄そばから発想を得ているらしい。
「あとは、昔からエビが好きで、お盆とかシーミーの時にエビの天ぷら食べまくって。食べ過ぎたことで嫌いになったから、エビはやろうと思って。」
「ワイン飲んでる時に、肉食べたいよねって、ステーキ。タレじゃないなー、チーズかなーって。」
「日本酒飲んでる時に魚も食べたいよねって。さっぱり系かなーとか。」
「だいたい酔っ払ってる時ですね!」と改めて確認したかのように笑って話してくれた。
発想は、天才肌の感覚人間なんだなと思った。
ワインと日本酒を汁物とするならば、後者の発想は分からなくもないけど…
面白い人だと思った。
季節のサルサも、「このフルーツ合うかなーって感覚で。これはいけそうって選べるようになるまでにめっちゃ失敗もしてますよ。青森の美味しいリンゴとか、リンゴに謝らんと…くらいでした。」
この日はドラゴンフルーツとパイナップルのサルサソースが選べるスタイルになっていた。
人が好きで人に愛されるタコスやさん。訪れる人たちが「LUKE TACOS」の要素になっていく。
お話を伺っていた時間帯が、小学生の下校時間と重なっていたこともあり、表から度々手を振られていた村吉さん。
「友達いっぱいですね。」というと「名前分からない子も沢山いますけどね。」「客層も下は水飲みに来る子どもたちからです。」と笑う。
「上は90代かな…逆にその歳の人になると、タコライスが新しいみたいで。タコスは知ってるけどタコライスってなんね?って。ほんとに、タコスからタコライスに派生したんだなって分かりました。」
沖縄の食の歴史を感じるエピソード。
これは沖縄のタコス屋さんでしか聞けない話。
よく笑い、ノリよく話してくれるから、簡単に作り上げてきたように聞こえるけど、しっかりと一歩ずつ築き上げて、今がある。
クラフトビールが並ぶショーケース。
「クラフトビールが好きってのはもちろんありますけど、卸してくれてる酒屋が好き!」と村吉さん。
「飲み屋で会った人が”ビールが好きならうちに飲みに来い。俺は流行りでビール入れてないから”って。実際に行ったら、”そんなこと言ってました?!ごめんなさい”って言われましたけど」と笑って話してくれた。
この人が選ぶものなら信じられると思って、お店に置くことにした。
「逆に、うちに入れるものは大事にしたいと思う繋がりないと入れてないかもしれないです。」とさらっと素敵なことを言う。
店内の壁や床は落書きともとれなくないアートがあり、たくさんの人がこの店に自分の痕跡を残していることを感じられる。
ひとつひとつが、ここに来る一人一人が「LUKE TACOS」の要素を作っている。
今後の展望を伺うと、これまた色々と考えていて。
嘉手納を、発展させるため、自分たちも楽しむため、常に前を見て。
この人たちなら本当に何でもやれそうだと羨ましくもなった。
この新しいプロジェクトの話はまた次の機会に。
新町通りの一角。外観も内観も村吉さんの人柄も…
嘉手納町を明るく照らすLUKE TACOS。
ここでしか、食べられないタコスがある。
「LUKE TACOS」の詳細は↓こちらから