特集
通り過ぎる町を”目指してくる”町にした「3S BURGER」
嘉手納のハンバーガーが全国3位になったという記事は当時、衝撃的だった。
2014年。「3S」ブランドはカフェとしてスタートした。
はじめは、北谷町の砂辺の周辺を重点的に物件探しを行っていたそうだが、なかなかこれといった物件に巡りあえずに半年が過ぎようとしていた。
移住をする前から、祖父母の家があったことで、小学生の頃から夏休みを過ごしていた嘉手納町に引き戻されるかのように、新町通りの一角の店舗に出会うことになる。
海の青、嘉手納町の町章の青。
新町通りでとても目を引く青い看板。
オーナーの岩城さんの好きなサーフィンや海をモチーフにした内装とそれに併せたBGM。3S cafeはパスタやハンバーガーを楽しむ空間だった。
バランスという壁
一筋縄ではいかない面白さと探究心から生まれた全国3位のハンバーガー
元々グルメバーガーが好きで、ハンバーガーを作り始めた。
8年程、ほぼ独学で技術を磨き、腕を振るってきた岩城さんは納得のいくハンバーガーがすぐに作れると思っていた。
ハンバーガーは奥が深かった。何よりもバランスが大事で、バンズの厚さ、野菜の量、ベーコンの大きさ、ソースの量…。一つ一つが独立している素材を挟んで一気に口に運ぶ。
何か一つでも突出してしまうと、他の素材の良さが活きない。
ハンバーガーを始めた当時、第一次グルメバーガーブームで、ソースがこぼれ出していたり、大きなベーコンが乗ったり、ビジュアルで衝撃を与えるグルメバーガーが溢れていた。
3Sのハンバーガーはあくまでもバランスに拘り、口に入れたときにすべての素材が最大にポテンシャルを発揮することを考えて、足していく調和ではなく、引き算で味を整えていった。
2015年。「沖縄バーガーフェスタinぎのざ」に参加することが決まる。
地域貢献度やご当地色もポイントとなるイベントのため、嘉手納らしさを出すために紅芋パウダーを練り込んで焼き上げたバンズを使い、野外での提供に支障のない、パティに牛スジにミートソースという肉肉しいハンバーガーを考案した。
レストランで培ったパスタソースの知識と経験と技術を総動員した最高の逸品。
「黒毛和牛の牛スジ ミートソースチーズバーガー」が誕生した。
高い評価を受けた3Sのハンバーガーは一票差でグランプリに輝く。
翌年の「全国ご当地バーガーグランプリ」には県代表として出場し、総合3位と特別賞「BEST QUALITY BURGER 」を受賞。輝かしい凱旋を果たす。
新町通りに行列
通り過ぎるにはもったいない町に押し上げる
反応はすぐに出た。
新町通りに全国3位のハンバーガーを求め、車や人が列を成し、ひっきりなしにかかってくる電話。嬉しい悲鳴。嘉手納町民こそ、あの場所に観光客を呼ぶ凄さを感じる。
当時、本当にたくさんのお客様が来てくれて、ランチタイムの終了時間までオープンしていることが困難なほどだった。
お客様に喜んでもらうために朝早くから仕込みをして、生活との両立のため効率を考えて作業の順番も工夫して最大限に用意できるように動き、バンズをオーブンに入れて焼き上がるまでの10分間が唯一休める時間。立ったまま寝ていたという…。
たゆまない努力
嘉手納町を「バーガーのまち」として牽引するバーガーショップの誕生
現在は「3S BURGER Good Quality Kadena Burger」として道の駅かでなに店舗を構えている。
看板は食欲をそそる黄色。チェダーチーズの黄色。
お店はハンバーガー専門として営業している。
一番の人気メニューは看板メニューの3S バーガー。
立地的にも観光のお客様が6割。沖縄初日に立ち寄ってたまたま食べてくれたお客様が、最終日にまた食べたいと立ち寄ってくれたり、沖縄に来る度に来てくれるお客様も多く、観光のお客様のリピーターが多いこともお店の魅力。
ハンバーガーを頬張った瞬間、「うま!」ってなってる顔が見れることがとても嬉しいと話す初見でサーフィンとかしてそうだなーと思わせるファッションと、少し日に焼けた笑顔が印象的な岩城さん。
「嘉手納町」を全国区にしたハンバーガー。
嘉手納町には「全国3位のハンバーガー」がある。
「3S BURGER」の詳細は↓こちらから